有料老人ホームの選び方

特養への新規入居は要介護度3以上−2015年度より

 特別養護老人ホーム(特養)への新規入居の条件を、2015年度以降は「要介護度3以上」とすることがほぼ決まったようです。
 特別養護老人ホームは基本的に常に介護が必要な人が入居する施設で、従来は要介護度1以上が入所できました。比較的安い料金で入居できることから入居希望者が多く、なかなか入居できないことが問題になっていました。なお、特養は全国に約7,500の施設があり、約47万人が生活していますが、特養への入居を希望して空きを待っている待機者が約40万人もいるのだそうです。

増大する介護給付費と「地域包括支援」

 このような決断をする背景には、ともかく増大する介護給付費を減らしたいという国の意向があります。国は「地域包括ケアシステム」という、高齢者が住み慣れた地域・自宅で安心して長く暮らしていけるように「医療」「介護」「介護予防」「生活支援」「住まい」という5つのサービスを不自由なく受けることができる支援システムを構築しようとしていますが、要はこの方がトータルの介護給付費を少なくできるのです。「施設から地域へ」というスローガンもよく聞かれます。
 ただ、この方針は実際はどうなのでしょうか。施設(とくに特養)に入所している(もしくは入所を希望している)人のほとんどは、入りたくて入所しているのではないでしょう(なお、この点有料老人ホームは希望して入所する方も多いです)。家族では介護が不可能と感じたり、そもそも介護してくれる家族がいないから仕方なく特養に入所せざるを得ないわけです。それを金がかかるからといって今さら「施設から地域へ」といわれても、正直言って実態に合っていないのではないかとも感じてしまいます。

例外規定が認められるか?

 なお、「要介護度3以上」という入居条件ですが、認知症や知的障がい・精神障がいがあって家族でのケアが困難であったり、介護する家族がおらず地域の支援体制も不十分である場合などについては例外として入居を認めることも検討されているようですが、このような例外規定を認めるのには反対の意見もあるようで、今後どのような形で決定されるかはまだ不透明のようです。

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