老人ホーム仲介業者の利用|有料老人ホームの選び方

老人ホーム仲介業者について

 トップページで書いたように、有料老人ホームは福祉施設ではないため、自治体によってはなかなか熱心に相談にのってもらえないところも多いようです。しかし、一方で一般企業による老人ホーム紹介サービスはかなりの数あるようです。
 内容としては、印刷媒体やインターネットで各施設を紹介するところから、地域を限定して実際の施設見学にも同行してくれるような不動産業に近いサービスを行っているところまであるようです。

老人ホーム仲介業者利用の利点

 老人ホーム選びは、一人の人生の中でそう何度も経験することがないようなものです。そのため、多くの施設を見ている仲介業者の方は、普通の人以上の情報を持っています(私など施設の職員は、自分の施設についてはよく把握していますが、他の施設に関しては研修などの機会に話を聞いたり見学したりすることはありますが、当然仲介業者の方の知見にはかないません)。施設の評判経営状態から見学の際の見どころ質問しておくべき項目、入居の際の留意点など。また、各施設が準備している「重要事項説明書」などの書類も、見慣れない人からすればどこを見ればいいのかよく分からないものです。そのような書類を見る上でもアドバイスをもらえるかもしれません。さらに、個人で資料集めをするには限界がありますが、このような業者に相談すれば希望する条件にあった施設を複数紹介することも簡単でしょう。そのため、上手にこのような業者を利用することは大事だと思います。

老人ホーム仲介業者利用の注意点

 ただし、100パーセント仲介業者の言うことを鵜呑みにしない方がいい場合もあります。なぜなら、このような業者はボランティアではなく当然営利企業だからです。自分たちの仲介が利益をもたらさなければ意味がありません。そのため、施設の内容よりも仲介手数料を支払ってくれる施設を紹介したいと思うのは当然でしょう(ちなみに、一般の不動産業者では家賃1ヶ月分が仲介手数料として入るようですが、この手の業者はどのくらいの手数料を取っているのでしょうか?)。また、紙媒体やインターネットなどで紹介している施設についても同じことが言えます。そのような場所に詳しく掲載されている施設は、業者に掲載費を支払っているのです。そして、仲介手数料も広告費も、元はどこから来ているかというと利用者が支払う利用料なのです。
 もちろん、このような業者がすべて悪と言うつもりはありませんが、施設を選ぶ側としては業者が(積極的に)情報を発信する施設情報はあくまで広告だということを忘れない方がいいと思います。
 蛇足ですが、ある仲介業者のページを見ていると「有料老人ホームを希望している方にも、条件に合えば(サービス付き)高齢者向け住宅を紹介します」といったような文言を目にすることがありました。高齢者向け住宅は元気なうちはいいですが、状況が悪くなると退去しなければならないこともあってニーズはかなり少なく、(少なくとも私の住んでいる地域では)空室ばかりといった状況のようです。もちろん、選んだ方がそれで納得されればいいですが、紹介された施設が本当に自分のニーズにあったものなのか、しっかり検討した上で決定するようにお願いしたいものです。

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