入居一時金|有料老人ホームの選び方

入居一時金(前払い金)

ハート

 入居の際に支払う金額で、最近は0円のところもありますが、中には数億円という施設まであります。
 もともとは「施設を利用する権利を買う」という性格のものでしたが、トラブルが多発したため、現在は「一定期間の家賃相当分の前払いをすることで終身利用権を保証するもの」とする位置づけになっています。
 なお、施設によっては入居一時金を支払うか、一時金を払わない代わりに高額の月額利用料を支払うか、というどちらかを選択する「併用方式」をとっている施設もあります。

入居一時金の償却

 入居時に支払った入居一時金は、その後各老人ホームが定めた方法で償却(使ったこととする)されていきます。入居時(正確に言うとクーリングオフ制度があるので入居後91日目)に何割か初期償却する場合もあり、その後5年から10年といった期間で均等に償却されていきます。もし、償却期間中にその老人ホームを退去する場合、償却されずに残った金額は利用者に返金されることになります。なお、償却期間を過ぎてさらに入居しつづけても、追加の費用を請求されることはありません
 施設を移る可能性のある方は、この償却期間が長い方が、退去時に戻ってくる前払い金が多いかもしれません。

入居一時金のクーリングオフ

 入居一時金にはクーリングオフ制度が適用されるため、入居から90日以内に退去する場合は一時金の全額(ただし、そのうち家賃相当分は除く)が返還されることになっています。なお、返還される範囲は各都道府県で若干違うようですので、入居契約の際に確認しておくことをお勧めします。

入居一時金の保全措置

 有料老人ホームは基本的に民間業者によって運営されていますので、当然倒産の可能性はあります。高額に一時金を支払った上倒産されてしまい、行き場のなくなってしまった高齢者が問題になったこともありました。
 そのため、現在では公益社団法人全国有料老人ホーム協会に加盟している有料老人ホームの場合、入居者生活保証制度が設けられており、仮に有料老人ホーム側で返却不能となった場合であっても、この全国有料老人ホーム協会から返金されることになっています。また、2006年4月以降に開設された老人ホームの場合、500万円を上限に前払い金を保全することが義務づけられています。
 逆に、上記にあてはまらない老人ホームに入居を考える場合は、契約前に前払い金の保全措置の方法についてしっかり調べておく方がいいでしょう。

入居一時金についてのまとめ

 有料老人ホームに入居する際いちばん大きな費用はこの入居一時金です。とはいえ、他のページで述べていくように、有料老人ホームでの日常の生活にもそれなりにお金がかかります。「何とかぎりぎり払えそうだから」と貯金を全部取り崩してすべてを入居一時金に充てるのはあまりオススメできません。入居したあと、今後の生活費について不安になる入居者も時々いらっしゃるのです。余裕を持って支払える施設を選ぶのも、その後の安穏な生活のためには必要なことだと思います。


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