場所の選択|有料老人ホームの選び方
終の棲家をどこに構えるか
老人ホームを探すにしても、当然日本全国どこでもと、やみくもに探すわけには行きません。今後、どこの地域で暮らしていきたいかということは、まず最初に考えておくべきことだと思います。
この点について悩まなくていい方というのは、現在ご自分が暮らしている地域に満足しており、なおかつ子どもたちも地元で暮らしているという方くらいでしょう。これに該当されない方は、今までご自分達が暮らしてきた
地域を重視するのか、それとも
ご家族との関係を重視するか、もしくはそれ以外の要素にこだわるか、といったことを考えていく必要があります。
住み慣れた地域の老人ホーム
まだ足腰も十分元気で、しばらくは今までと同じ地域で社会生活を続けていきたいと考えた場合、地元の老人ホームを探すのも良いかもしれません。
とくに自力で外出ができる方の場合、
顔なじみのお店や近所の方々との人間関係を今まで通り続けていけるということは、今後の人生を張りのあるものとしていく上でもとても重要なことかもしれません。実際、馴染みのところに外出してみようという気力も生まれ、より健康な状態を保つことができる人も多いようです。
ただし、足腰が悪くなり自力での外出が難しくなってきてしまうと、どうしても近所の方々との関係も希薄になってきてしまいますし、近所の方との関係よりご家族との関係が重要になってきます。このような状態が長くなりそうだとお考えの場合は、ご家族の近くの老人ホームを探された方がお互いの労力の軽減になるかもしれません。
ご家族(子ども)の住んでいる地域で探す
子どもたちが、両親の介護を考え自分たちの住む地域の老人ホームへの入居を勧めるケースも多いです。
ただ、この場合入居される方の生活環境はがらりと変わってしまうので、入居を決心するのはなかなか大変なようです。とはいっても、元気な方の場合、新しい地域やホームの中で新しい人間関係を築いて充実した生活を送られている方もたくさんいます。

また、足腰が弱くなって自力での外出が難しくなってきてしまった方の場合、
ご家族が訪ねて来やすいという条件は思った以上に重要です。
田舎の老人ホームを探したい
自然が好きで、余生は自然あふれるところで…と考える方もいらっしゃいます。なかには周囲の環境を活かして
農作業などができることをウリにした施設など魅力ある施設も多いです。
ただし、田舎ということは交通の便が悪く
ご家族が訪ねてくる労力は増えますし、
緊急時の医療体制のリスクも考えられます。また、せっかくそのような環境のホームに入居しても、体が動かなくなって居室から自力で出られなくなってしまってはその環境を十分に享受できないでしょう。ご自分があとどれくらい自由に動けるのかということも考えて検討していただければと思います。
都会の老人ホームで暮らしたい
最近は、
地方都市の中心商店街に近いところにも続々と老人ホームができています。「社会と切り離された施設暮らし」ではなく、施設を出てすぐにショッピングができるような環境に魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。
ただし、肝心の商店街自体がシャッター通りとなってしまって魅力がなかったり、都会なるが上
駐車場の問題でご家族が気軽に訪ねてこられないなどということも考えられるので、そのような点にも注意を払って検討していただければと思います。